2009年07月10日

タイ料理とラム・トロピカリアとレモン・シャーベット、あるいはチルドレンズ・ゲーム

bar bossa 林 伸次 http://barbossa.com

 正直な話し、タイ料理なんて二度と口にしないと思っていました。というのは10数年前のエスニック料理ブームの時に一度タイ料理を食べて、「この味は自分には絶対ムリ」と痛感したからです。

 話しは少しそれるのですが、私はありとあらゆるものに対して趣味が「OL女子大生的」なんですね。いわゆる渋いものとか難解なものって全くわかんないんです。ホルモンやシメ鯖、ヌーヴェル・バーグやフリー・ジャズ、腕時計や真空管アンプ、アイラモルトやハーブ系リキュール、といった世の中の渋い趣味のものが全部ダメなんです。

 だからその流れで、タイ料理はちょっとハーブが多すぎてダメだなと思っていたんです。

 でも、吉祥寺を妻と歩いていてなんとなく目に入ったタイ料理屋さんに飛び込んでみたんですね。というのは最近、期待して出かけた飲食店がことごとく自分の趣味にあわず、何か新しい味のジャンルに挑戦してみたいなと思っていたんです。

 するとどうでしょう。そのタイ料理屋さんで出てくる料理が何もかもおいしくて、あれいったいどうしたんだろうと思ったわけなんです。

 これは理由はすぐに判明しました。結婚してから毎日妻の料理を食べているわけですが(私は全く料理ができません)、妻はハーブが好きでやたらと料理に入れちゃうんですね。それでいつの間にか自分の味覚が変化していたんです。

 そうか、ハッカクやパクチーを入れるからこそ味に多くの重なりや深みが出来てより食材のおいしさを楽しめるんだな、ということが理解できるようになっていたんです。

 でも、今までタイ料理って全くのノーチェックだったので、どういうお店や料理がオススメなのか全然知りません。そこでお願いがあるのですが、オススメのタイ料理のお店とか料理とかを教えてもらえませんでしょうか。

 あの、もちろんバール・ボッサの店内で教えてほしいのですが、コメントに残してくれるのもありですよ。って書いても、なぜかコメントはくれないんですよね…

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 次はお店の宣伝です。

 ラム・トロピカリアという飲み物を7月下旬から始めます。

 本当はラムにパイナップルとマンゴーとレモンを漬け込んだラム・パンチなのですが、妻が「『ラム・パンチ』って名前がオシャレじゃない。私だったら名前で頼まない」と言うので、名前を考えたところ、「ラム・トロピカリア」という名前になりました。はい、もちろんカエターノ・ヴェローゾのファンがどうしても注文してみたくなるというのをねらった上でのネーミングです。でも、ホントおいしいですよ。

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 あと、オープン当初から「アイスとかシャーベットとかないんですか?」ってずっと言われ続けていたのですが、やっと理想的な味に出会ったので始めます。

 自家製のレモン・シャーベットです。ホント、すごくシンプルなレモンの酸味だけが楽しめる味です。たぶん、ちょっとしたお口直しで注文される人が多いだろうなと思ったので「一口サイズで¥300」という価格設定にしました。ちょっとサッパリしたいという方は是非お試しください。

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 さて「チルドレンズ・ゲーム」というお題でお話を書くことですよね。

 最初は女性受けするあたたかい子供の遊びの話しを書こうと思っていたのですが、「いやいや、子供の遊びってホントはすごく残酷なんだよな」と思い直して下のような話しを書きました。

 ゴウさん東野さん、またまた重い話しですいません。重い話しが嫌いな人は読まないで下さいね。

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 僕たちがまだ小学校にあがる前、ミホちゃんが呪いの言葉を教えてくれたよね。あの頃僕は近所の悪ガキ3人組にいつもいじめられていて、それを見かねたミホちゃんが
「私がすごくよくきく呪いの言葉を教えてあげるから、それであいつらに仕返ししようよ」って言ってくれたんだっけ。

 あの悪ガキ3人が池で溺れて死んでしまったのは、やっぱりあの呪いの言葉が原因だったんだよね。まあとにかくあの後、僕には平和な生活が戻ってきたからとても嬉しかったんだけど。

 ミホちゃん。小学4年生の時にすごく体罰がひどかった男の先生がいたのって覚えているかな。一度、僕は全然悪いことをしていないのに「教室全員の責任だ」って言ってその先生がみんなの顔を往復ビンタしたことがあったんだ。

 で、僕、うちに帰ってあのミホちゃんに教えてもらった呪いの言葉をとなえたんだ。そしたらその先生、交通事故で下半身不随になっちゃってね。教室にはまた平和が戻ってきたんだ。

 高校の時にミホちゃんに言い寄ってくるキザな男がいたのは覚えているかな。ミホちゃんはたぶん嫌がっていたはずなのに、あいついつもミホちゃんにプレゼントとか渡していたじゃない。

 で、僕、ミホちゃんのことを助けなきゃと思って、うちに帰ってあの呪いの言葉を使ったんだ。そしたらあのキザな男、大火傷してひどい顔になっちゃったじゃない。それでミホちゃんからも離れていって。ミホちゃん、あの時、君を助けたのは僕だったんだよ。

 ミホちゃんが25才の時に結婚した男もいたよね。そうあの結婚式の時、ミホちゃん、最後に涙を流していたじゃない。僕だけは気がついたよ。ミホちゃんはこの結婚を本当は望んでいないんだって。

 もちろん僕はあの呪いの言葉でミホちゃんの夫になる男を消してしまったんだ。あの男は確か通り魔に刺されたんだよね。

 でもミホちゃん。気になるのは、その後、ミホちゃんは家で首を吊って死んでしまったよね。悩みがあるんなら僕に相談してくれれば良かったのに。僕はいつでもミホちゃんの味方だから、あの呪いの言葉でどんなやつでもやっつけてやったのに。

 ミホちゃんがいなくなってから僕はずっと部屋に閉じこもったまま毎日何にもしないで暮らしているんだ。両親は「何か仕事を探しなさい。いつまでも子供じゃないんだから」っていつもうるさいんだけど。

 昔、僕たちがまだ小さかった頃、ミホちゃんに教えてもらったあの呪いの言葉、今度は誰に使ってやろうか、最近はそればかりを考えて暮らしているんだ。

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 アントニオ・カルロス・ジョビンが書いた曲で「チルドレンズ・ゲーム」というとても美しい曲があります。この曲はインストの時は「チルドレンズ・ゲーム」、ポルトガル語詞の時は「バラに降る雨」、英語だと「ダブル・レインボウ」というタイトルになります。今回はその「チルドレンズ・ゲーム」というタイトルを借りて書いてみました。

 次回はちゃんと音楽の話しにします。
posted by ベーマイストレス at 13:48| Comment(0) | ブログ