2009年09月09日

やってみたいお店

http://barbossa.com/index.html bar bossa 林 伸次

 もし「売り上げとか全然気にしなくていいから好きな店やってみて」と言われたら、私は正直、バーはやりません。

 もちろん、バー経営とかバーテンダーの仕事ってすごく面白いんですよ。でも、色々と大変なことがあるんですよ、この仕事。

 で、はじめの話題に戻ると、私は「だったらこんなお店をやりたい」です。

 店の大きさはバール・ボッサを少しだけ小さくしたくらい。店の3分の1が飲食部門で、テーブルが二つとカウンターのみ。メニューは3つだけで、カレーライス(これがメチャクチャおいしい)と、ホット・コーヒーとアイス・コーヒーだけ。紅茶もお酒もありません。

 で、店の3分の1はレコードとCDの販売。新譜も扱うけど、基本的にはブラジルとアメリカの買い付けの中古レコードと中古CD。

 レコードとCDの内容は、昔、15年くらい前、東北沢にあったラストチャンス・レコードが一番近いでしょうか。ブラジルとサントラと静かなジャズ(ヴォーカルもの、ピアノもの、ストリングスもの)と室内楽のクラシックのみのお店でした。ロックなし、ソウルなし、レゲエなし、ブルースなし、バップなし、交響曲なし、です(あの、ロックとソウルが嫌いなわけじゃないですからね。今でもT-REXとかテレヴィジョンが街でかかっているとしびれています)。

 ちなみにこのラストチャンス・レコードで店員じゃないのに自由にカウンターの中に入って高価なブラジル盤をかけてるお兄さんがいて、「あの人羨ましいなあ」と思っていたら、その人が伊藤ゴローさんでした。

 「あれれ、林、今頃レコード?」と思ったあなた。友人のダウンタウン・レコードの土田君もよく言っているのですが、今、結構レコードって売れるんですよ。今続々と各社がレコードを発売しているんですけど、どれもがCDなんかより全然売れているんですよ。

 今、CDしか出ていなかったタイトル、例えばジョアンの「声とギター」的なアルバムをレコードで発売すると結構いけると思いますよ。

 さて、残りの3分の1はもちろん古本コーナーです。本当は新品の本でもいいのですが、出来ればその本を持ってテーブルでコーヒーを飲みながら読んでほしいのです。そう、本は売っているのですが、マンガ喫茶のように自由に読んで良いわけです。

 というわけで、この本は私の好みを反映しつつ、コーヒーを飲みながら読めるような本をセレクトするわけです。

 だから小説は長編ものではなく、短編集を中心に置いています。レイモンド・カーヴァーや芥川龍之介、内田百閨A星新一は短いのばかりだから確定ですね。トルーマン・カポーティ、ガルシア・マルケス、ヘミングウェイ、村上春樹、安部公房も長いのじゃなくて短編集です。夏目漱石はそういう理由で夢十夜とかだけですね。

 短編のみとなると、そうかポール・オースターとトバイアス・ウルフが置けないのが残念です。

 あと、忘れてはいけないカズオ・イシグロ。この人の最新作の短編集「夜想曲集」読みましたか? ただの海外文学好きだけに独り占めさせたくない、「本当の音楽好き」にオススメしたい名作ですね。

 あとエッセイ集もかなりの部分をしめますね。エッセイってお店でコーヒーを飲みながら読むのにぴったりですから…

 エッセイは翻訳家のものが何故か面白いって知っていましたか? 青山南、柴田元幸、岸本 佐知子、この3人は新刊が出ると確実に買う人たちです。中でも青山南の文章は本当に好きで、(誰も気付かないけど)しょっちゅう真似しています。

 最近は時の人って感じの穂村弘のエッセイ集も全部揃えたいですね。この人は「ウジウジねた」が有名ですが、時々すごく本気に「言葉について」書くときが最高なんです。

 詩人のエッセイも良いですよね。長田弘のねこに未来はないは必ず置きたい本ですね。

 そうそう、作品社から出ている日本の名随筆ってご存じですか? これ、名シリーズですよね。実は私の実家にこれが全巻あるので、実家から持ってきてお店に置きたいです。

 あと、そういう場所で自分が読みたい本を考えみたら、結構シリアスなノンフィクションものが読みたいですね。これも短いのを選びたいですが、長くてもOKにします。

 猪瀬直樹ってみなさん意外と未チェックだと思うのですが、すごくロマンティックな人で優れた作品が多いんですよ。ミカドものも面白いのですが、空気と戦争あたりはどうでしょうか。面白いですよ。

 保阪正康も置きたいですね。検証・昭和史の焦点という本があるんですけど、これのトラウトマン工作が面白くって最高! 下手な小説よりよっぽど心が震えます。「歴史にIfはないけれど…」というあれです(すいません、2次大戦史とにかく好きなんです)。

 あと、前世への冒険も必ず置きたい本ですね。これ、おそらく誰もチェックしていない本だと思うのですが、面白いんですよ。

 こういうお店では定番ですが、沢木耕太郎も置くべきですよね。この人の本に出会って人生が狂う若者をもっと増やしたいです。ちなみにこの人、5年くらい前に今は亡き渋谷のブック・ファーストで見かけたんですが、ムチャクチャかっこよかったです。

 さて、マンガは置くべきか? うーん、難しい問題ですね。ここはあえてやめておきます。あ、フジモトマサルだけ置こうかな。

 どうですか? 個人的にはこんなお店があったら本気で通うんですが…

 あ、お店の宣伝です。またボッサ・レコード更新しています。前回、すごく好評で問い合わせも多かったので、頑張って更新続けます。よろしくお願いします。

 ええと、さらにお店の宣伝です。bar bossaはシルヴァー・ウイークでしたっけ。その間も全部営業いたします。日曜日もやりますよ。是非、ご来店下さい。
posted by ベーマイストレス at 15:02| Comment(0) | ブログ