2009年08月09日

最近の気になる音楽とか

bar bossa 林 伸次 http://barbossa.com/index.html

 バンドネオン奏者の北村聡
さんに「カルロス・アギーレって知ってますか? 林さん、たぶん好きだと思いますよ」と言われました。

 カルロス・アギーレ…、最近どこかで目にしたような名前だなと思ったのですが、思い出せず、こう答えました。「北村さんのオススメでしたら今度タワーかユニオンに行ったときにでも買ってみますよ」

 すると北村さんが「いやこのアーティスト、自分のインディーズ・レーベルで出しているんで日本ではちょっと入手が難しいんですよ。たまに少しだけ入荷することもあるんですけど、それもすぐ売り切れちゃうんです。今度コピーして持ってきますよ」ということでした。

 で、先日、北村さんからそのカルロス・アギーレのCDRを2枚頂いたのですが(もちろん後でちゃんと正規盤買いますからね)、これがもうすごいことになっているんです。

 で、とにかくどんな人なんだろうと思ってうちに帰って検索してみたら、ひっかかったのが山ブラのディスクガイド大洋レコードでした。なるほど、山ブラで見たのをなんとなく覚えていたんですね。

 北村さんの情報によると(北村さんはアルゼンチンでライブも見ています)、この人は現在の南米の重要音楽家10人にも選ばれている人(音を聴けば当然という気がします)で、ピアニスト、作曲家で、アルゼンチンのコンテンポラリー・フォルクローレ・シーンを代表する人なんだそうです(フォルクローレと言っても『コンドルは飛んでいく』の世界ではなくて、ネオアコあたりが語感的には近いようです)。アルゼンチンの地方の音楽を調べたりする人だそうなので、ちょっとアカデミックよりな人なんでしょうか。

 で、北村さんも山ブラさんも大洋レコードさんも指摘するように、この人の音楽、なんだか「ミナスっぽい」んです。「Violeta」というアルバムなんかすごく「Infinite Love」に印象が似ているんです(インフィニトが空を飛んでいる感じだとしたら、ヴィオレタは海底を漂っている感じという違いはありますが)。「やっぱりこの人、ミナスの音楽とか聴いているんですかね?」と北村さんに聞くと、「たぶん聞いていると思いますよ。アルゼンチン人ってブラジル音楽好きだから」と言ってました。

 このカルロス・アギーレがどこまで意識的にブラジル音楽を取り入れているのかちょっと知りたいところですが、それはまた別の話ですね。

 しかし、こう書いていてつらいのはホント、入手困難だという事実です。今のところ、大洋レコードとラティーナ
くらいしか扱っていないようです。

 そこで、お願いなのですが、誰か勇気ある人、このカルロス・アギーレのレーベルとライセンス契約して日本で正規国内盤として売り出していただけないでしょうか。こういう音楽はやっぱり日本語の解説と対訳がついたもので持ちたいと思うんです。

 蛇足なのですが、HPを見ていただければわかるかと思うのですが、カルロス・アギーレさんが持つ世界観ってとても素敵なんです。私は雲をクリックしたときに雨が降ってきたのには、正直やられてしまいました。ちょっとブラジルにも日本にもない感覚ですよね。

 こんな素晴らしい音楽が日本で入手困難なんてちょっともったいないと思いませんか?

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 中村心之さん(ハダメス・ニャターリのCDを企画制作した方です)から「林さん、ブラジルのクラシックってすごく面白いんですよ。例えばこんなアルバム知ってます?」と興味深いアルバムを紹介されました。 

 このアルバムはジルソン・ペランツェッタ名義で、クラウヂオ・サントロというクラシック作曲家の「前奏曲集と愛の歌曲集」という作品を演奏したものです。で、前奏曲は基本的にジルソンのソロ・ピアノ(チェロとかが入るのもあります)で、歌曲の方はクワルテート・エン・シーとボカ・リヴリが参加しています。そう男女混声八人コーラスなんです。

 で、このアルバム、もうメランコリックの嵐でたまんないんです。切なくてカウンターの中で倒れ込んでしまうくらいなんです。

 さて、このアルバムを中島ノブユキさんがいる時にさりげなくかけてみました。そしたら中島さん5秒聴いて「ちょっとちょっとこのピアノ誰? 何これ? すごいんだけど!」って言ったんです。「また中島さん?」と思ったあなた、中島ノブユキさんってめったに音楽を誉めたりしないの知ってます? で、こんなに食いついてくるのなんてホントないんです。

 で、これはジルソンやエン・シーの仕事が原因なのではなく、このクラウヂオ・サントロという作曲家がすごいのではと考え始めたのです。


 さて話は変わって、昔、私はWAVEのクラシック売場で働いたことがあったのですが、そこではヴィラ・ロボスってすごく売れる定番商品だったんです。意外ですか?

 ここでクラシックのCDを買う人たちを想像してもらいます。一般的なのはレコード芸術という雑誌を毎月購入して、「フルトヴェングラーの1945年の録音が…」とかって語るタイプです。
 
 しかし、本当に一番多いのは小さい頃からピアノを習っていて、音大に入って今は普通にOLやってますみたいなタイプです。そういう人たちって意外と自由にボサノヴァ買ったり、ジャズ買ったりしながら、クラシックももちろん買っているんです。で、そういう人たちがヴィラ・ロボスを買うんです。

 あと、私は坂本龍一キッズ系と呼んでいるのですが、ドビュッシーやラヴェルから現代音楽なんかを聴くタイプの人たちです。実はこういう人たちもすごくたくさんいて、その人たちは積極的に20世紀以降の全世界のクラシックなんかにすごく興味を持っているんです。

 で、提案なのですが、その人たちに向かって「ブラジルのクラシック」を紹介する本を誰か作ってくれないでしょうか。あるいはもう少し広げて「ラテンアメリカのクラシック」というのもありかもしれないです。キューバとかアルゼンチンのクラシックも面白そうですよね。

 CDも出して下さい。たぶんブラジルにはブラジル人が演奏したブラジル人作曲家のレコードがどっさりと存在するはずです。そのあたりって、宝の山だと思うんですね。

 クラシック好きも動くし、ブラジル音楽好きも動くと思うんですよね。それに興味を示す推定人数は5万人はいます。

 誰かやってくれないかなあ。まずはこのジルソン・ペランツェッタのアルバムあたりから… 

           ●

 さてクラシックつながりで、また雨と休日
の話しです。

 先日、トレフル
というボッサの向かいのお花屋さんでお花を買った(海の日にCayに贈ったあの花です)ら「雨と休日セレクションのCDーR」
を頂きました。これがもうものすごく良いんです。

 クラシックの室内楽曲をまるで3分間のポップ・ミュージック感覚で扱って、ボサノヴァやジャズの静かな曲に混ぜてCDをコンパイルするっていうアイディア、いろんな人がトライしていると思うんですね。でも残念なことにほとんどが失敗しているように私は感じているんです。

 しかしこの「雨と休日セレクションCD−R」はおもいっきり成功しているんです。成功の理由はこう考えます。1.寺田さんがすごくたくさん音楽を聴いている(今ってネットがあるから音楽をたくさん知っている人はいるのですが、ちゃんと聴いている人って逆にいないんですよね) 2.寺田さんの音楽に対する世界観がすごく確立されていて揺らがない 3.センスが良い

 最近はいろんな人が雨と休日の話しをしています。いずれ「雨と休日系」って言葉が出来るねなんて声も聞きました。

 でも、みんなに言うのですが、このお店、ネットじゃ良さは伝わりません。是非、西荻に足を運んでください。

 と言うとほとんどの人たちが「いや林さん、西荻って遠過ぎるよ」って言います。あ、この言葉ってあれだ、鎌倉のディモンシュが話題になり始めた時にみんなが言ってた言葉に似ているなと思いました。

 で、西荻、いろんな骨董屋や家具屋、渋い古本屋や可愛いカフェなんかがたくさんあるのって知っていますか? 休日にそれらを一つ一つ回るっていうのも楽しいと思いますよ。

 雨と休日、わざわざ西荻まで行く価値あると思います。「CDの売り方」のいろんな可能性を感じさせてくれますよ。

           ●

 最後にお店の宣伝です。ボッサ・レコード、新しくレコード入荷しました。もし興味がありましたらのぞいてみて下さい。試聴も出来るし買わなくても楽しめると思います。

 音楽の話しだとついつい長くてすいませんでした。
posted by ベーマイストレス at 15:52| Comment(0) | ブログ
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